今の自分が描けるものを把握していないと、練習の効果が出ないこともあるよ。

できる事からこつこつと上達するために

「絵が下手だった私でも、これだけ上手くなったから大丈夫! これをするだけで絵は上手くなります。」

絵の練習をどうすればいいかで悩んでいる時にこう言う言葉で励まされたり、元気づけられたりすることは多いと思います。

ただ、練習方法を検索していると、出てくるのは成功談が圧倒的に多いと感じたりしませんか?

「自分はそれに当てはまらないのに……」

何故そう感じるのかの理由を説明してくれている記事は思った以上に少ないと感じるので、今回はその辺りを掘り下げていこうと思います。

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分かった!と言うタイミングは人によって違うのだよね。

ほいじゃ、今回は前に話をした「絵が上手くなるための方法を教えます。」でも、やってみても上手くならないんだけど。の続きであります。
前回は、絶対に上手くなる方法を教えて貰っても、内容が理解出来なければ、上達の実感が得られない。という感じだったよね?
ですです。頑張っても結果に繋がらない場合、何故そうなっているのかを理解する必要があると思うのです。
基本的に、アドバイスっていうのは教えてくれる人が教えて貰いたい人に、どういった理由でこうなのかというのを説明してくれるから理解が出来るんだと思う。
でも、独学の場合だと、直接説明して貰う事が難しいから、アドバイスでどいういう事を言っているのかを、自分で考える必要があるんだよね。
とは言え、それは結構難しい事なのだ。だって、どこが分からないと感じているのかを自分で理解出来ていないわけだし。
そこにどう気付けるかってところがポイントって感じだよね。

 

分からないことを分からないまま描こうとしても、思った形にはなりにくい。

とは言え、気付きっていうのはタイミングってものがあるとも思うのな。
でも、そこに気付けないと先には進めないだよね?
そうなのです。だって、分からないことを分からないままにして練習を続けていても、状況を変化させるきっかけは見つからないからね。
例えばの話だけど、へのへのもへじってだれでも描けるじゃん?
描き方が分かるから簡単に描けるね。
でも、へのへのもへじが描けるからって、理科室にある人体模型をリアルに描いて下さいっていわれても無理じゃないですか。
資料見なきゃ無理! 資料見ても難しいと思う!
そこですよ。簡単なものは、覚えていて理解しているから、「それを描いて」と言われて直ぐに描けるけど、複雑な物になれば成る程、覚えて居ないから描くことが難しい。もし描けたとしても、それは精密的なデッサンやスケッチとはかけ離れた、図形に近いものが精一杯なんじゃないかな。
そうだろうね。
もう少し突っ込んだ言い方をするとしたら、ハートを描いて下さいと言われて実際描いてみようとした場合、心臓という臓器を描く人よりも、図形のハートマークを描く人の方が多いと思うんだ。

ハートを描いてください

この場合、ハートマークという誰でも分かる図形がすでにあるから、わざわざリアルな臓器の方で描く必要は無じゃん。医学解剖スケッチが大好きとか、必要に迫られて描かなければならいといった理由が無い限り、心臓という臓器を描こうと思う人は少ないはず。
必要じゃない限り描くことは無いよ、臓器なんて。
じゃあさ、図形ではなく臓器の方で描いて。資料なしでって言われた場合、すんなり描き起こす事は?
そんなの無理。
ですよねー。

 

やった方が良いと言う方法だと、処理する情報量が多いことも。

デッサンやクロッキーってさ、実はインプットする情報が多いモノだったりするよね。
マンガ絵やアニメ絵に比べて描き込む部分が多いよね。
漫画やアニメタッチの絵が描きやすいと感じるのは、複雑な部分が記号化され省略されているためだと思うんだ。
デフォルメされてるから、詳細に描き込む必要が無いもんね。
描き始めたばかりの人にとって、沢山の情報が詰まった練習方法を実践しようとしても、情報過多でキャパオーバーしてしまうんじゃないかな?

ハートの場合は、相手にそれがハートだって伝わればいいんだから、別に臓器で描く必要は有は無いワケですよ。

ハートマークが描ければ、ハートだって分かる訳だし。

 

自分が分かりやすいものから始めて少しずつ描ける範囲を広げていく方が、効率が良いこともある。

ノウハウってさ、みんながやってるからソレが絶対イイモノなんだ!ってのはちょっと違うと思うんだ。
教えてもらった方法が簡単かどうかは、やってみないと分からないんだよ。
でもさ、よく見てみると、色んな人から指示されている方法でも、ちょっとやり方が奇抜な方法でも、過程が違うだけで目標地点は同じだったりして。
そうそう。どの方法で始めるかが違うだけで、最終的には全部出来るようになるのが一番だからね。
上達ノウハウをまとめてみると、こんな感じで結構ワンパターンな事に気付きます。
  • 沢山描けば上手くなる。
  • デッサンをすれば上手くなる。
  • 人に見て貰えば上手くなる。
  • 理解して描けば上手くなる。
もちろん、紹介する人によって言い方は異なるけど、内容はこんな感じだよね。
うん。ただ、それを実践するための方法が、人によって違っていることもあるんだよね。美術教室に通ってみましょうだったり、クロッキーから始めてみてくださいだったり、漫画デッサンでもいいですよだったり。方法が一杯ある。
そうそう。
だから、必ずデッサンから始めないとダメってワケじゃ無いし、クロッキーが出来なくったって良いんだよ。
「マンガ絵しか描けないから絵が上手くならない」ってワケじゃ無いんだって。
自分が出来ない、苦手だと感じるものは、絶対に出来ないんじゃなくて、今は分かりにくいと感じているだけなんだよね。
そう! で、そういう時にがむしゃらに頑張ったって頭が追いつかないから、何がどうおかしいと感じてしまうのかが見つけにくいわけなのです。
ただ、誰もそこを指摘してくれない。そのせいで、ずっとおかしい部分がどこなのか分からないまま停滞しちゃうんだよね。
そういう時は、練習方法を変えてみると良いんじゃない? 今までのやり方と真逆の方法でも、自分にとってはやりやすいと感じる方法が見つかったりするし。

 

まとめ。

と言うわけで、今回のまとめです。気付いたことは、こんな感じかな?
  • リアルデッサンが難しいと感じるなら漫画デッサンから始める。
  • 人形デッサンが描けないのなら、単純な図形に置き換えてシルエットを捉える練習をしてみる。
デッサンして、クロッキーやらなきゃダメだよって言われても中々上手くいかない場合は、もっと簡単な方法に変えちゃった方が楽しんで練習出来るのかもね。
ただ、楽な方法だけで満足して終わってしまうのはダメだと思う。
練習していて物足りなくなったら、練習する方法をちょっと難しいものに変える。そうすると、前は分からなかったことが分かるようになってるかも。
大事なのは経験を積むと言うことなんだよね。
ランクを落とすと遠回りって思うかも知れないけど、理解せず同じ事をただ繰り返しているだけの方がよっぽど遠回り。
それよりは、今現在の自分が分かる事から初めて、少しずつ出来る事を増やした方が、効率良く上手くなっていけると思いますです。ハイ。

 

というわけで、今回の記事のポイントはこんな感じになりました。

・みんなのオススメでも、分からないと感じることはある。ソレがおかしいわけではない。
・デッサンやクロッキーが苦手なら、マンガデッサンでも全然良い。
・詳細を見る事がしんどいと感じるなら、形を理解することから始めた方が早いかも。
・一気に背伸びをしても、描けないイライラが溜まるだけかも。
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